戦略大作戦

『戦略大作戦』(ブライアン・G・ハットン監督/1970)。

ノルマンディ上陸後、ベルリンへ進撃する米陸軍偵察部隊。なのだが、味方の誤爆にさらされ、いいところは他の部隊にさらわれ、隊長の大尉は略奪品のヨットを運びにパリに出かけてしまうし、上陸後6か月で初めて得た休暇は、街にも遠い野原の真ん中だったりする。

捕らえたドイツ軍情報大佐から、ある敵地の街に14000本の金塊が保管されていることを知り、タイガー戦車3台が守備するその街へ、仲間を巻き込みながら(任務ではなく私欲のために)突入していく、というコメディ映画。

主演はクリント・イーストウッド。仲間に加わる戦車隊長としてドナルド・サザーランドが出てくる。ほんとに、この人が出てくると主演も何もあったものではなく、完全に画面を食ってしまう。イーストウッドなんか消し飛んでしまう。ニホンには小沢昭一という怪優がいるけれど、アメリカでは(カナダ人だが)ドナルド・サザーランドである。まさに怪演。

まあ、この映画は戦争映画というよりも西部劇であると思った方がいい。それも、ヒューマニズムとか開拓時代のロマンとかいった要素とは関係がない、マカロニ・ウェスタン調の戦争コメディか。

で、お目当ての金塊はあったのか。たいがいの悪漢小説、ピカレスクロマンにおいては、実は鉛であったとか、すでに誰かが持ち去った後であったとか、途中で仲間割れを始めて最後の一人だけが金塊までたどり着いたのだが、そいつもその場で息絶えるとかして終わるものなのだが、これはちゃんとそこにある。

14000本、1600万ドルの金塊を収めた銀行の扉は、説得した敵のタイガー戦車の隊長によって吹っ飛ばされ、米兵およびドイツ兵によって山分けされて、街の解放を喜ぶ市民およびそこへ乗り込んできたパットン将軍を尻目に、みんなすたこらとどこやらへ逃げていくのだった。

全体にみるとお気楽なコメディなのだが、戦闘シーンの緊迫感はそれなりに盛り上がる。また、この時代の映画にしては画面が非常に緻密できれいだった。