リードベース、平賀和人!
最近、オクサンがバンドでベースを弾いている。7月から8月にかけて、けっこう出番が多いらしく、しょっちゅうどこやらへ出かけていく。始めたのは、たしか6月くらいだったから、超初心者のまま、ステージに立つという、まったく世間様に対して申し訳ないようなお話なのである。
昔むかし、ドラムとキーボードでバンドに参加していたのだけど、ベースはまったく弾いたことがない。ギターすら弾けない。鍵盤と打楽器はこなすのだが、弦は未経験なのだ。なんでベースなんだと聞くと、「ベースしか空きがなかった」ということ。なんでもいいから、バンドをやりたかったらしい。太い話である。
この血筋は長女にも引き継がれているらしく、高校時代、演劇をやっていた彼女は、部員に欠員が出て、大会への出場がピンチだという新体操部に助っ人として駆り出され、1か月かそこらの練習で図々しくも県大会で準優勝し、九州大会では沖縄を満喫してきた。もっとも、県大会の出場校は二校だったという話もある。
こういう、初めてのことにものおじしない性格というのは、より人生を楽しめるだろうから、よいことであると思う。ワタシにも多少、そういう傾向はあって、何にしろ前例のないこと、人が無理だからあきらめろというようなことこそ、自分の出番だと思いこむフシがある。
こちらは、たぶん、どこかしら気負いのようなものもありそうなのだが、彼女らにはそれがない。要するに何にも考えずに、楽々とやる強さがある。
で、何しろ初めてのベースであるから、何を練習してよいのかわからないらしく、こちらも何か参考になる演奏はないかなと考えてみたところ、NSPを思い出した。
1973年頃に出た「さようなら」のベースは、どうにもかっこよかった。「昨日からの逃げ道」も、たしかいいフレーズがあった。ぼくがベースという楽器の重要性を知ったのは、ピンクフロイドのロジャー・ウォーターズと、NSPの平賀和人で、ほぼ同時期のことだったのだ。残念ながら、ポール・マッカートニーも、細野晴臣もあんまり知らなかった。
で、2002年の「NSP復活コンサート」のDVDを観た。一曲目、「昨日からの逃げ道」はリードギターにばかり目がいっていたのだけど、やはりNSPの音を作っていたのは平賀和人のベースだったことに、今さらながら気づく。
この人、デビュー当時のコメントで、好きなベーシストとして「はっぴいえんど時代の細野さん」と答えていたのだけど、ご本尊の方はよく聴いていないので、細野晴臣の何が、どの程度、彼に影響しているのか、今のところわからない。
平賀和人は、デビューアルバムのライブで「リードベースです」と、自己紹介していた。リードベースという言葉を聞いたのは、それが空前にして絶後である。まあ、たしかにリードと呼んでいいほど、彼のベースラインは多弁であり、しかも節度感があって、文句なくかっこいい。センスがいい。
「平賀和人研究」みたいなDVDを、誰か作ってくれないだろうか。これから、ポップス系のベースを覚えようかという人には、めちゃくちゃ参考になりそうに思うのだけど。