『麻雀放浪記』(和田誠監督/1984)。宇宙戦争の前に観たのだった。宇宙戦争のあまりの衝撃波に、これを観たことを忘れていた。ちなみに、「宇宙戦争 駄作」でGoogleすると、248000件ヒットする。やるかたなき憤懣は世に満ちておるようだ。

さて、麻雀放浪記。これも以前勤めていた会社が試写会をやったので、封切直前に観た。社会人になりたての24歳だったと思う。もちろん、阿佐田哲也の原作は読んでいた。

当時の最初の感想は、「女衒の達が、デカイな」というものだった(^_^;)。原作では、なかなか一筋縄でいかない、そのスジの人というイメージだったので、あのような体の大きな心優しい達さんが出てきて困ったのだ。出目徳の高品格は、さすがによかったけどね。

全体には、原作の妙に乾いた世界観はうまく表現されているけれど、その奥にあるどろどろの、たとえば徹夜明けの指にこびりついた煙草のヤニ感とか、負けがこんだバクチ場のひりひりした感じ(そのきつさから逃げずに、むしろそこへ頭から突っ込んでしまうのがバクチの魔性であるわけだけれど)は、とぼしいなという気はしていた。それこそが原作の本質だと思うので、「なーんか、あっさりしてるよなあ」と思ったことを覚えている。

あれから20年の歳月が流れ、つい最近、映画愛に目覚めた地点からふたたび観てみたわけだが、やっぱこりゃ、いい映画なんだなあと思う。焼け跡のセットのちゃちさは(大体、模型ではないか、あれは)、ちょっと痛いのだけれど、和田誠という人がどんなにか映画が好きかがよく伝わってくる。非常にアマチュアライクなのですね。いい意味で。

テレビ放送を録画してプロジェクターで観たのだが、フォーカスは意外なほどシャープで大画面でもまず不足はない。でも、もう一度DVDの525プログレッシブで観てみようと思う。