映画>北辰斜にさすところ

『北辰斜にさすところ』(神山征二郎監督/2007)。

旧制五高(現熊本大学)の100周年記念として、ライバル高であった七高(現鹿児島大学)との野球の試合を人吉でやるというお話。

中学時代に読んだ北杜夫の一連のエッセイの影響で、旧制高校というものには、いまだに憧れがある。おそらく、後進である現在の旧帝大にも、そんな雰囲気はかけらも残っていなさそうなのだけれど。

そもそも鹿児島と熊本というのは、近くは西南戦争以来の激しいライバル関係にある。ぼくが高校時代くらいまで、たとえばどこかで喧嘩になったとして、相手が熊本の男だったとしたら、負けて鹿児島に帰れないというような空気があった。

もちろん、負けていい県などどこにもないのだけれど、熊本と聞くとちょっと身構えるというか、福岡とか大分とかとはちがう、何かの感覚があったのだ。これが鹿児島のDNAというものなのかな。

映画としてどうなんだという判断は、おそらくぼくにはできない。自分が鹿児島出身であり、子供が鹿児島大学にいるので、極端なひいき目で見ているにちがいない。ただ、随所で笑い、随所で泣いた。緒方直人が、寮の大ボスの役なのだが、このいい男ぶりったらなかった。