パイプのマウスピースには、主にエボナイト製とプラスティック製があるわけだけれど、それぞれ一長一短。単純に喫い心地の良さからいうとエボナイトの圧勝だけれど、これは紫外線や水分によってすぐに変色するという欠点があって、使うたびにきれいに拭いて、ポーチなり箱なりに入れて保管しなくてはならない。

放っておくと、こんな具合になるわけである。
1.jpg

手前はJan Zeman 作のロード・オブ・ザ・リングシリーズのGandorr というパイプで、とにかく煙草がおいしい。現在はうちのラタキアのエースとなっている。向う側は、あるぽさんオリジナルのALPO3 で、こちらも喫味が素晴らしく着香系の2番手くらいで活躍している。

ところがどちらもエボナイトのマウスピースであるため、ちょっと気を抜くとこの有様である。これを見て「ああ、エボナイトだから紫外線には弱いよね」とか「年季の入った渋いパイプですな」とか言ってくれる人は、広い世間といえども皆無であろう。普通は、「きちゃないパイプだなあ」である。自分だってそう思う。

ワタシにしても手をこまねいていたわけではない。ホームセンターに行ってバフがけのマシンを買い、なんとかいうワックスを買い、研磨にトライしてみたこともある。ただ、これはなかなかむずかしい技術がいるもので、うっかりマウスピースを焼いてしまいそうになった。焦げた匂いがあたりにたちこめ、有機材であるマウスピースはやばい色になっていた。これで断念。

サビネリのDeniCare(吸い口用)も試してみたのだが、強い溶剤の匂いがするし、あまり研磨の効率がよくない感じだったので、適当なところで断念。根気のある人は、これでもいけるのかもしれない。

有名パイプ店では研磨を引き受けてくれるところもあるので、そういうのを利用しようかと考えていたところ、Oメソッドなる言葉が飛び込んできた(参考サイト)。発信源はアメリカらしいのだが、オキシクリーンという酸素系漂白剤を使う。なかなか優秀らしいので、どんなものだか検証することにした。以下、手順を説明する。

1)適当な容器に60度のお湯500CCを入れ、オキシクリーン10gを溶かして、マウスピースを放り込む。
2)30分ほどで引き上げて水洗い後、乾燥させる。
3)「激落ちくん」などのメラニンフォームで研磨。
4)400~600番の耐水ペーパーで歯型などの大きな傷を研磨。
5)耐水ペーパー1000~2000番で全体を水研ぎ。
6)乾燥後、プラスティック用コンパウンドで仕上げ。

オキシクリーンはワイドハイターなどの酸素系漂白剤で代用できそうだったのだが、とりあえず本家の流儀に従った。マウスピースのダメージが、それほどシリアスなものでなければ、4)および5)は省略可能。今回は省略した。

下は、オキシクリーンの溶液に浸けているところ。薄いビールのような色になる程度で、思ったほど盛大に汚れが出てこないので、こんなものかという印象。
2a.jpg

ところがマウスピースを引き上げて乾燥させてみると、汚れというか不純物のようなものが表面に皮膜を形成している。これにはちょっと驚いた。この浮き出た部分を、メラニンフォームで研磨していく。
3.jpg

メラニンフォームで磨いた後、コンパウンドで仕上げて出来上がり。写真以上に、良い出来になった。
4.jpg

作業時間は、オキシクリーンから引き上げて約1時間(2本分)、使ったメラニンフォームは45mmx32mmx20mmの超小型のやつを6個。研磨はやればやるほどきれいになるのだが、例によって、まあまあ適当。

結論。Oメソッドは優秀。マウスピースへのダメージが少なそうなのもいいと思う。