D-18GEとOOO-28EC。どちらかを弾いている時は、片方の弦をゆるめていたので、今まで同時に弾き比べてみたことはなかった。何しろマーチンはネックが弱い。新品のギターで弦を張りっぱなしにしておくと、大半がハイポジ起きを起こすのではないかと思う。ギブソンはもっと弱いらしいけど。

弦はOOO-28ECが、マーチンのエリック・クラプトン・シグネチャー(ライト)、D-18GEの方は、同じくマーチンのマーキスSPライトを張っている。材質は同じフォスファー・ブロンズだから、まあ似たようなもんだろう。ちなみに、こないだまでD-18GEには、GHSのシグネチャー・ブロンズという弦を張っていた。これは特筆ものの良い弦だったので、またあらためて書いてみたい。

この二つのギター、弾き比べてみると、やはり全然ちがう楽器だということがわかる。28ECの方は小さくで抱きやすくて、かっこいいボディから、きらきらと上等な音が流れてくる。低音の伸びは18GEに譲るけれど、それでも十分な力感があり、はずむような感触もある。全体に中音域が充実して、そこにきれいな高音とバランスのとれた低音が乗ってくる感じ。

若干のハイポジ起きをサドルで補正していて、ネックの状態はベストとはいえないけれど(弦高は6弦で2.6ミリくらいで、ベストに近い)、演奏性もいい方だと思う。

D-18GEを弾くと、「やっぱ音質だけとれば、28ECは魅力あるなあ」と思う。18GEは、全体にいうと、ギターらしい音というのか、あまり音色に特有の艶のようなものはのってこない。いや、確かにアディロンダック・スプルース特有の音なんだろうけど、28系の艶とはちがう傾向。28ECはフォスファーの音色を強調するような傾向があるけれど、18GEはより素直な音とでもいうのか。

そして高音が伸びる伸びる。低音も伸びる伸びる。ただ、その低音は28ECと比べて、ボリュームでは上回っているけれど、柔らかな低音。おそらく、これはサイド・バックがローズウッド(28EC)と、マホガニー(18GE)の差だと思う。演奏性は、一回り小さな28ECよりも上かもしれない。そのくらい弾きやすい。レスポンス、ダイナミックレンジも、D-18GEがいい。

意外に健闘したのは、28ECのストローク時の音で、これはものすごくいい音がする。コードストロークというのは、もっとも簡単な奏法ではあるけれど、弾き手の力量がもろに出てしまう。ぼくは下手くそなのだが、そのぼくが弾いてもまとまりがあってリズムに乗れる、いいストロークになる。D-18GEのストロークも、もちろんいいのだが、28ECの弾む感じは捨てがたい魅力。

たまたま、近所の奥さんが遊びに来ていたので、聴いてもらうことにした。自分で弾いている音というのは、正面で聴くのとはだいぶちがうということもある。

「あたしは、この大きなやつ(D-18GE)が断然いいわよね。なんか、広い野っぱらでキャンプとかしてて、みんなでにこにこしてるみたいな感じがして。楽しくなる音。この小さい方の(28EC)は、成績のいい優等生みたいで、あんまり楽しくない。この大きなのを、いい音で弾いてくれる男なら、あたしはまいっちゃったかもね。若い頃なら」

ということでありました。

なかなか、鋭いご意見であります。