D-18GEは、米国マーティン社のギターであります。1934年のD-18に近づけるべく特別の材料と方法で作られているもので、マーティンとしても「あの頃」というイメージがあるのでしょう。GEはGOLDEN ERA(黄金時代)です。こんなに縁起のいい名前のギターは、ほかにはない(^^;)。

こういうギターですので、あんまりタマ数もなくて、おそらく都内で常時展示されているのは5本とか7本とか、そんなもの。地方在住者としてはふだん目にすることもなく、どこぞから、なんとか一本取り寄せてもらって試奏するしかないわけです。なおかつ、せっかく取り寄せたんだから買うことを前提だよね、お客さん、わかってるよねという雰囲気も、感じないわけではありません(^^)(^^;)。

で、近所の島村楽器に頼んでみたところ、福岡と名古屋に一本ずつあるということで、とりあえず福岡のやつがやってきました。

2006年製D-18GE。表面板はこのギターの特徴であるアディロンダック・スプルースで、サイドとリアがマホガニー。ネックもマホガニーのはずでしたが、マホも最近は確保があやしくなっているらしくて、2005年から「セレクテッド・ハードウッド」という、よくわからんものに仕様変更されていました。どうもこれは、見た目はあんまりよくありません。

このギターは戦前モデルの復刻バージョンですので、ネックが太いのですが、同じコンセプトのHD-28V(こちらは1937年製D-28の復刻)などよりも、さらに太い感じです。というか、横幅が広い。これでうまいこと、指弾きができるんだろうかというのが、試奏のひとつのテーマでもありました。音は価格相応か、それ以上であることは最初から疑ってもおりません。

まず、一番難儀しそうなアンジー(Anji)を弾いてみました。これは6弦1フレットのベース音を、左手親指で押さえる形が頻発するわけで、小ぶりでネックも薄いVGなんかでちゃらちゃら弾くと、楽だし気持ちのいい曲なのです。それを、弩級のギター(D-18のDとは、戦艦ドレッドノートからきております。マーティンの最大級なのです)で、でやあと弾くとどうなのか。

結論からいうと、なんとかクリアしました。いや、意外なほど早くなじめた感じです。SPのライトゲージが張ってありましたが、弦のテンションが低く感じられ、高い方の音も押さえやすく、演奏性の高さはこれまで弾いたドレッドノートの中でも最高クラスでした。

音は…なんというのか。ぼくの弾いた範囲の、マーチンの新しいドレッドノートは、特に高音が眠かったり伸びなかったりしたのですが、今では珍しくなったスキャロップブレイシングをサウンドホールに近いところでクロスさせるオールド仕様のせいだか、売り物のアディロンダック・スプルースの鳴りのせいだか、いきなりきれいなトーンで伸びてきます。すんなりと、のびのびと高音が出て、しかもサスティーンが効いている。

低音は、指弾きだけでも、ちょっと強めに弾いてやると、どかんと出てきます。まだちょっと奥に引いた感はありますが、不思議な気がするほど、新品のくせに音の出方にストレスがありません。ピックでストロークしたら、その場を圧する大音量まちがいなしという気配。こんなマーティンは初めてでした。

演奏性、音とも、なんの文句もありません。これなら「憧れのマーティン」の名にふさわしいものに育つはず。ですが、ちょいと表面板の模様が乱れてるのが気になり(^^;)、お店に無理をいって名古屋ものも取り寄せてもらって比較することにしました。

宮崎に住んでいながら二本のGEを比較できるというのは、お店に感謝するほかはありませぬ。島村楽器宮崎店、いいお店です(^^;)。