どんな映画が好きなのかと

考えてみた。映画を観たいのだが、時間がない。仕事の状態を考えれば当たり前だ。
で、まず、「会いたい人物」というのがいることに気づいた。いい映画、よくない映画という以前に、この人に(映画の中で)会いたいと思う人がいる。エーリッヒ・フォン・シュトロハイム。ぞっこんである。
『サンセット大通り』に登場するグロリア・スワンソン(元大物女優役)の元夫にして元映画監督役でもありながら、召使のような執事をやっているマックス。同じワイルダー監督の『第17捕虜収容所』では、ドイツ軍の収容所長をやっていた。
「ドイツ軍の捕虜収容所長」が、この人のはまり役らしくて、名作と噂の高い(まだ観てない)『大いなる幻影』でも、貴族出身の収容所長を、こちらはかなりシリアスにやっているらしい。どうしても観たい。この人がいい役をやる映画なら、ぼくにとって名作である。
大体、この人、伝説の名監督であったらしい。ただ、あまりの完全主義で通行人の生い立ちとか趣味嗜好までシナリオライターに書かせたりするものだから、予算は必ず大幅にオーバーするし、時間は間に合わないし、トラブルもたえないしで、ほどなく映画を撮らせてもらえなくなった。それではということで俳優になったわけだけれど、その俳優ぶりが、またなんともよろしい。
会いたい人第二号は、『お熱いのがお好き』の大金持ち役、ジョー・E・ブラウン。あのめちゃくちゃに人の良さそうな、大口のスマイルにやられた。主演級はあまり思いつかない。女優も思いつかない。ま、これからだろうな。
作品としては、「なんとか主義」とか「かんとかイズム」とかいうものを売りにするようなものは、これは映画にかぎらず、あまり好きでない。というか、たぶん拒絶反応が出て、あちこちかゆくなる。芸論は身内でやればいい。こっちは客だから、そういうのにはつきあわない。
社会派も、ちょっと…である。映画なんぞに社会を教えてもらわなくても、こちらはもういやというほど社会を学んできた。教えてやりたいくらいのもんである。もっとも、作品として完成度が高ければ、社会派も可。というより、好きなジャンルかもしれない。重くてツラいのが社会派だという勘違いが、頭悪くていやのだ。
戦争ものは、なぜか好きである。理由はわからない。ただし、リアルはだめ。映画において、人は象徴的に死ぬべきで、リアルに殺すのは悪趣味というものだ。その意味で、『ミリオンダラーベイビー』はとんでもない悪趣味な映画だった。あのオスカーを、ぼくは信じない。
時代劇は、ジャンルとしては大好きだ。戦前から昭和30年頃までの日本映画もぼくにとっては時代劇であって、つまりその時代にすべりこんでいくような感覚が好きなのだろう。したがって、考証がちゃんとしているか、普通に風俗を撮ったら時代がついてしまって、結果としてタイムスリップするような作品を観たい。今度、乙羽信子の『裸の島』がテレビ放映されるようなので、楽しみにしている。
今、ベスト1を選べば、文句なく『幕末太陽伝』。これは、フランキー堺の神がかり的演技につきる。はあ…。早く映画を観たいなあ。