2007年6月30日

富土を渡る風 2007

高三の長女は塾だというので、家族四人で富土へボート釣りに。去年は三女がゴムボートデビューをして、よほど楽しかったらしく、何度もそのキス釣りの話をしていた。次女はその時、行きそびれていたので、「次、私も連れていって」といっていた。その後に怪我をして入院したので、ボート釣りどころではなくなったけど、その釣りの話は家族で何度もした。「治ったら連れていく」「誰からボートに乗る?」「サヤちゃん、キスのアタリは覚えてる?」と。

今でも右肩はうまく動かないので、大荷物のボート釣りは一人では行けそうもない。家族を連れていったというよりは、荷物を持ちについてきてくれたといった方がほんとは正しいのだけど、なんでもいい、とりあえず海に出てみることにした。

日南海岸の富土海水浴場は、宮崎市と日南市の間にあって、周辺は切立った崖が続くだけで人家などもほとんどない。だものだから、水はとても澄んでいる。砂を蹴って漕ぎ出してしばらくは、ボートの上から底の砂紋が見えている。それが少しずつ色を深めていくあたりから、いかにも大きなキスがいそうな雰囲気になってくる。

次女と三女、一時間交替でボートに乗せることにした。竿は二本、リールも二個、ハリも二本、オモリは5号。日南海岸にしては、ほとんどべた凪といっていい海況ではあったけれど、それでも離岸の時に大きな波をかぶって二人ともびしょ濡れになった。ボートもあっという間に水舟だ。そんなことにかまっているひまはないので、どんどん漕いで沖に行く。どんどん漕いで沖に行かないと、波もどんどんやってくる。

とにかく安全なところまで出ていって、竿に仕掛けを結ぶ。この時のヨロコビといったらない。この瞬間のために、うんせうんせと重たい思いをしてボートを運び、空気を入れて、クーラーやらアンカーやらを積み込んで、全身びしょ濡れになってオールを漕いでいるようなもんだ。

とりあえず、子供たちとの約束は果たせた。ぼくの右肩も、なんとかオールを漕げるくらいにまでは回復した。われ帰還せり。われらが富土の海へ。

釣り場への行き帰り、日南海岸を車で走っていて、初めて宮崎の海の景色を懐かしく思った。まるで旅人のように。もしかして、ここを去る日が来るのかもしれないという気がしていた。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.fishing-forum.org/mt4/mt-tb.cgi/1249

コメント

しんさん

富土シリーズ、探してみたらAir Craftの中にありましたので、はずかしながら載っけておきました。Air Craftって、マックでいえばComNIftyみたいなものです。昨夜、カワセミさんと二人で映っている写真も出てきました。

懐かしいタイトルです。一作目はどこかに残ってないですか?
同じ頃僕は「僕と息子と釣りぼりで」っていうの書いたような気がしたけど画像だったかな。

「ここを去る」という「ここ」とは、宮崎ですか? 釣りですか?
不粋な問いです(^^;)。

コメントする