2007年4月 5日

抜釘リポート

抜釘と書いて「ばってい」と読みます。「ばってん荒川」とは、さほど関係はないようです。

なるほど、釘を抜くんだな。クギヌキでも使うのかなと。普通はまあ、思うわけですが、これが体内の話となると、ややコトは物騒になってくるわけでして、いくら術語とはいえ、もう少しデリカシーに配慮した言い回しはないものかと思いますな。

そんなわけで、去年の8月に手術した鎖骨も、無事に骨がくっつきまして、そこに埋め込んでいたピンを、本日めでたく除去という運びとなりました。ほんとは、去年の暮れ頃にはそろそろ抜いてもいいかな、という感じだったのですが、何しろここんとこ時間に追われており、抜くのはいいとしても、その後の体のダメージがいかほどか見当がつかなかったものですから、今日まで延びてしまいました。

さて、その抜釘の儀ですが。鎖骨骨折の抜釘手術がどのようなものか、いずれこのページに検索してたどりつく方のために、参考までに報告しておきます。

まず、日帰りで帰れます。点滴もなし。昔は二、三日入院ということもあったそうですが。一応、事前承諾書に緊急時の連絡先などを書いて提出し、当日は手術衣を着せられ、看護婦さんに連れられて手術室に入ります。この患者を手術室に伴う看護婦さんの仕事を、ここでは「オペ出し」ということを本日知りました。

「オペ出し行ってきます」と同僚に声をかけているのが聞こえたわけです。なるほど、いいものですな、オペ出し。なんかお囃子かなんか鳴って「師匠、オペ出しです」と前座さんから声がかかるなんという。

前回は、移送ベッドに寝かされて家族一同に見送られつつ、手術室に入ったわけですが、今回は自力で現場まで歩いていくのですから、出世したものだと思います。でも、あまり手術室の周りというのは、しげしげと見たいものではないですね。うつろ目をして寝かされて入った方が、よほど精神にはよいと思います。

入室前に名前と生年月日を聞かれ、帽子をかぶらされて、てくてくと手術台へ。手術台は非常に狭いのですが、温熱ヒーターが仕込まれており、背中がぽかぽかして、リラックスできるようになっています。そこで、左手に血圧計、右手に酸素計、胸に心電図という装備を施された後、目隠しがおろされて胸に消毒液を二回ほど塗布。よくテレビで見る穴のあいた青い布を患部にかぶせて、いよいよ始まります。

わくわくします?しませんか。

鎖骨骨折の抜釘手術というのは、要は折れた二本の鎖骨をつないでいた、ステンレス製のピン(長さ16cm)を、皮膚を少し切開して、えいやと抜くわけです。ピンはストッパーとして片方が曲げて骨に引っかけてあり、その曲がった部分は皮膚の上からでも感じられますので、そこを目当てに皮膚を切って、やっと引っ張り出してしまえばよい。概念としては、そういうことです。

「先生」
「はい」
「麻酔は注射ですよね」
「そうです」
「注射する時は、言ってくださいね。いきなりはなしですよ」
「はいはい」

「はい、では注射します」
ちくーーー。
「うむ」
「二本目いきます」
ちくーーー。
「む」
「では、切ります」
「いててててて」
メスが体に入って痛いというのは、初めて経験した。
「おや、効いてませんかね。もう一本」
(渡辺ジュースか)

さくさく、と音がしたような気がしたけど、気のせいだろう。それから、何をしているのかわからないのだけど、ごりごり、ごりごり、骨を引っ張られたり、骨の中を何かがどうにかしているような感覚が続く。

ごりごり。ごりごり。
「むむむむむ」
ごりごり。ごりごり。
「むむむむむ」
ごりごり。ごりごり。
「なかなか出ないね」
ごりごり。ごりごり。ぐぐぐぐぐ。ごきゃっ!(何が起きたか不明。鎖骨に強い圧迫感)
「うお」
「痛かったですかあ」
「うううう」
「はい。ラジペン」
(ラジペンって)
「骨の中を何かが通るような感じがしますからね。いきますよ」
(心の準備)
「はい。抜けましたー」
「縫いますね。ちくちく」
「はい。終わり」
「お疲れさま」
「お疲れさま」

メンバーは医者一名看護士3名。うち女性一名は、主に手を握って励ます係。これはかなり効く。手術台に寝かされてからの所要時間約20分。彼らからすれば、イソジン塗ってカットバン貼るくらいの、「あらよっ」てな仕事なのだろう。

傷口を消毒しながら、医者が言う。

「ピン、どうします?」
「くれるんですか?」
「持って帰っていいですよ。花見の時にバーベキューに使えます」
「わはは」

見ると、片方がとがっており、長さといい太さといい、ちょうど焼き串みたいなものだった。今度の宴会で、ほんとに使ってやろうか。


※手術は午前9時半から。鎮痛剤と抗生剤をもらって帰宅して、午後1時には打ち合わせに。さすがにクルマの運転はオクサンにやってもらいましたが、術後の痛みも薬が十分に効く程度のもののようです。二日後に検診を受けて、二週間後に抜糸すれば一件落着となるそうです。

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コメント

めいっぴさん、はじめまして。抜釘ですが、ぼくの感じでは、歯を抜くほどの程度でした。もっと楽だったかも。体のダメージもほとんどなく、3時間後には仕事の打ち合わせに出かけました。

大丈夫ですよ(^^)。

完治おめでとうございます。私は来週抜釘です。私の中に入ってるのは、スクリュー型?ネジのようなまきまきのついた太い釘です。なかなか骨がつかず、調度1年後の手術なのですが、やはり怖いです・・・。何といっても麻酔の注射が痛そうじゃないですか???全麻にしてほしい(T_T)そして、何も分からないうちに終わってほしいです・・・。ゴリゴリなんて想像するだけでキャーという感じで、耐えられるでしょうか・・・。しかし、この骨折で肩甲骨から肩の筋肉、関節まで動きが鈍くなって、困ったことです。では、仕方ないので頑張ってきます・・・。

ひろすけさん、どうもです。完治だといいのですけど、抜釘でようやく肩のMRIを撮れるようになりました。まだ、右手は90度くらいしか上がらないのです。
まあ、のんびり治していきます。

花見のバーベキューとは、なかなかシャレのきいたお医者さんですな(^_^;
影では抜釘を「ヌキ」とか言ってるかも。
「今日は一本ヌキがあるよ」とか看護婦さんと話しているの図は、シモネタっぽくていいですね(^○^)

ともあれ完治おめでとうございます。
これからはガシガシとギターもいけますね。

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