2006年3月22日

映画>豚と軍艦

『豚と軍艦』(今村昌平監督/1961)。

いやー、重たい映画だったな。喜劇なんだろうけど、この観終わった後のどかんとくる重たい感じはなんなのだろう。

舞台は昭和20年代の横須賀。長門裕之が演じるチンピラが主人公。兄貴役の丹波哲郎ともども、何しろ若い。時代そのものも若いわけで、この世代の人たちというのはちょっとうらやましい気がする。今、年だけ若くても、こんな若さは出しようがないだろう。

恋人役の吉村実子という女優をぼくは知らなかったのだけど、デビュー作で主役級、汚れシーンも実に大胆。えらく期待されていたのだろうな。長門裕之が機関銃を振り回して死んだ後、進駐軍と中国人とヤクザにまみれた横須賀で米人の「オンリー」となるが、すぐに見切りをつけて、当時、新興工業地帯だった川崎へ旅立つ。

「川崎」は、勤勉でまともな生活のあるところ。駅前広場をずんずん歩いていく、その数十歩の間に、揺れ動く少女だった彼女が、みるみる「女」になっていくすごさ。一歩ふみしめるごとに自立していくさまを見せるシーンというのは、まったく見事だった。

音楽、黛敏郎。助監督、浦山桐郎。脇を固める俳優も、南田洋子、小沢昭一、東野英治郎、殿山泰司、西村晃と、一癖ありそうな人たちばかり。今、こんな映画は撮れないのだろうなあ。

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コメント

今村作品、じっくり観たのは初めてでしたけど、
こんな喜劇でも、時代性とか土着性とかいうものが強くあって、
「日本」というものを感じますね。
そのへんが血に響いて重たく感じるのかもしれませんが、
ぼくらは何しろクリスタル世代ですから(^_^;)。

また怒涛の映画鑑賞の日々が復活ですね(^^)
お仕事は一段落?
今村作品、僕は「うなぎ」「復讐するは我にあり」「楢山節考」ぐらいしか観てませんが、確かにみんな重たいですね。「重い」というより「重たい」。
なんかこう「ずっしり」と言うより「どよーん」と言うか、今村ファンには攻撃されそうですが、「なんだか、やなもん観ちゃったな・・・」感が残る作品という印象が深いです(^_^;
でも、何年たっても印象が深く残っているわけで、これはもう好き嫌いは別として、巨匠の証なんでしょうね。

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